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交通違反検挙時の「見取り図」偽造か 警部補関与1600件取り消し


 交通違反を取り締まった際に虚偽の捜査書類を作成したとして、福岡県警は14日、柳川署地域課の男性警部補(57)を虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検するとともに、停職6カ月の懲戒処分とした。警部補は「違反を多く検挙して仕事ができると思われたかった」と容疑を認めているという。県警は、警部補が過去に検挙した約1600件の違反を取り消し、総額約1550万円に上る反則金などを返還する。警部補は14日、依願退職した。

 書類送検容疑は2021年8月~23年2月に信号無視など計10件の交通違反を取り締まった際、違反行為を十分に確認できていたように装う虚偽の捜査書類を作成し、交通課員に提出したなどとしている。

 県警によると、警部補が偽造していた疑いがあるのは、警察官が違反の状況や現場の位置関係を記録する現場見取り図。取り締まりの際、実際はパトカーの車内にいて十分に目視で確認できなかったのに、書類上は交差点近くに立ち、目の前で信号無視などの違反を現認したように装っていたという。この結果、証拠があいまいで本来は警告にとどまるようなケースも、運転手が認めれば違反切符を交付していたという。

 23年2月、警部補が作成した現場見取り図に矛盾があることに別の警察官が気付き、発覚。県警が確認したところ、警部補は「交通課員から指摘されると思い、うその見取り図を作成した」と述べ、前任の春日署勤務時も同様の不正を繰り返していたと説明した。

 警部補は15年3月~23年2月に約2600件の交通違反を検挙したが、そのうち飲酒運転など明らかな違反を除いた約1600件について、県警は「違反行為を十分に確認できていなかった可能性がある」と判断。これらの違反を取り消し、反則金の返還や行政処分の取り消しなどもしていくとしている。違反点数の加算で免許停止となったケースも約50件あったという。

 県警は14日、警部補が作成した書類が虚偽の疑いがあると知りながら上司への報告を怠ったなどとして、当時の同僚や上司の計6人も本部長注意などの処分とした。県警監察官室の桐原哲夫首席監察官は「事実関係をふまえ、厳正に処分した。関係者および県民の皆様に深くおわび申し上げます」とコメントした。【清水晃平】

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