米ブルームバーグ通信は11日、関係者の話として、大半の主要7カ国（G7）メンバーが長期的な安全保障を提供する2国間協定をそれぞれウクライナと結ぶ方向で調整していると報じた。リトアニアの首都ビリニュスで開催中の北大西洋条約機構（NATO）首脳会議に合わせて、各協定をまとめた宣言の形で公表される予定。協定内容や実際に結ぶ国は協議中で変更される可能性があるとしている。
米国は協定を締結するとみられている。他の参加国と共にそれぞれが防空システムや大砲、長射程ミサイル、装甲車などの最新兵器の長期的な提供をウクライナと取り結ぶことになるという。
各国はウクライナの防衛産業の発展も支援し、軍隊も訓練する。情報共有も緊密化し、サイバー防衛も強化する見通し。緊急の財政支援や復興の支援も協定内容に盛り込まれる予定で、ウクライナは安全保障や経済、司法などの国内改革を進める約束をするという。
協定を結ぶことによって、各国がより持続的にウクライナを支援することができるようにするのが狙い。NATOは原則として加盟国以外に本格的な安全保障は提供しない。これまでの欧米からの戦車や戦闘機などの兵器供与も加盟国とウクライナの2国間を基本とした形を取っている。【ビリニュス岩佐淳士、ワシントン鈴木一生】
