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世田谷区、ふるさと納税で97億円流出 23年度速報値で過去最大


 ふるさと納税制度による他自治体への寄付額が年々増加している世田谷区で、2023年度の流出額(速報値)が、過去最大の約97億円に上ることが区のまとめで明らかになった。区は22年度から返礼品を拡充して寄付額を前年度から倍近く増やすことに成功したが、流出額との差は依然大きい。区は「流出額が100億円を超えるのは時間の問題」と危機感を募らせている。

 都内自治体で最多の約92万人が住む世田谷区。区税の流出が深刻化し、流出額の増加は10年連続となった。流出額が急増したのは、ふるさと納税をした人が確定申告をしなくても寄付分の税額控除を受けられる税制改正「ワンストップ特例制度」が始まった15年度からだ。流出額は15年度に約2億6000万円だったが、22年度には約87億円に達し、23年度も約10億円増えた。過去11年間の流出額の累計は約458億円に上るという。

返礼品拡充でも歯止めかからず

 区は従来、ふるさと納税制度に否定的で、「返礼品競争には加わらない」との意向を示していたが、財政への影響を無視できず、22年11月から返礼品の拡充に踏み切った。区内の有名洋菓子店のスイーツや宿泊施設のクーポン券など約100種類を返礼品とし、特設サイトも開設した。その結果、22年度の寄付額は約2億8600万円と、前年度の約1億5000万円からほぼ倍増。だが、流出額の3%足らずだ。

 こうした現状について、保坂展人区長は6月22日の記者会見で「流出に歯止めがかからず、看過できない。流出額が150億円となれば、耐えられるわけがない」と心情を吐露した。

 通常、ふるさと納税による減収の75%は地方交付税で補われる仕組みとなっているが、区は不交付団体に当たり、国からの補塡(ほてん)は無い。保坂区長は、不交付団体に対しても交付金による補塡をするべきだとした上で、「地方でも(返礼品にする)特産物が少なくて税金が流出する問題が起きている。制度を抜本的に見直すべきだと思う」と国に苦言を呈した。【加藤佑輔】

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