英国のスナク首相は8日、バイデン米政権によるウクライナへのクラスター弾供与について否定的な見解を示した。スペインやカナダといった、米国とウクライナ支援で結束してきた他の北大西洋条約機構（NATO）加盟国からも批判の声が上がっている。
クラスター弾は不発弾が紛争後も民間人に被害を及ぼすため、日本を含む100カ国以上が加盟するオスロ条約で使用や製造が禁止されている。
ロイター通信によると、スナク氏は記者団に「英国はクラスター弾の使用や製造を禁じる条約に加盟している」と語った。米国に対する明確な批判は避けながら、クラスター弾供与の決定に異を唱えた形だ。
また、スペインのロブレス国防相は8日、「ウクライナの正当な防衛にはイエスだが、クラスター弾にはノーだ」と強調。カナダ政府もこの日、「我々はクラスター弾の使用を支持せず、子供たちなど民間人への被害をなくすことに全力を尽くす」とする声明を出し、米国の供与に反対した。
一方、ウクライナのレズニコフ国防相は7日、ツイッターへの投稿で、クラスター弾について、ロシアに占領された自国の領土でのみ使用する▽民間人の被害を避けるため都市部では使用しない▽使用を厳格に管理・記録し、協力国と情報共有する――方針を示し、理解を求めた。【ブリュッセル岩佐淳士】
