爆発物原料大量購入の不審者への対応訓練 警視庁、ホームセンターで

　爆発物を使用したテロを防止するため、警視庁公安部は4日、爆発物の原料となり得る化学物質を店で大量に購入しようとする不審者への対応訓練を、東京都足立区のホームセンターで行った。

　ホームセンターの店員や綾瀬署員ら約30人が参加。マニキュア除光液の主成分で、爆発物の原料にもなる「アセトン」を大量に購入する不審者の対応方法を確認した。購入に必要な身元確認などを拒否した男性客が立ち去った後、店側が警察に通報。男性客の服装を伝えるなど情報を共有した。

　2022年7月に安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件で逮捕・起訴された山上徹也被告（42）はネット上の情報を基に黒色火薬を自ら作ったとされる。爆発力が大きい黒色火薬はテロや犯罪で使われる危険性があり、原料となるアセトンなどの流通に警察当局は目を光らせている。

　綾瀬署の芝山賢一署長は「テロを未然に防止するためには、民間事業者や地域の方々と警察が連携することが必要不可欠だ」と話した。【木下翔太郎】