藤井聡太名人が8冠達成したら経済効果は…「空前絶後」専門家が試算

　関西大は4日、将棋の藤井聡太名人（20）が8冠を獲得した際の経済効果について、35億円超とする宮本勝浩名誉教授の試算を発表した。

　藤井名人は4～6月に行われた第81期名人戦七番勝負で渡辺明九段（39）を破り、7冠を達成。前人未到の8冠制覇に期待が高まっている。

　宮本名誉教授は、藤井名人が8冠を獲得し、その立場を1年前後保持する前提での経済効果を報告書にまとめた。

　藤井名人の基本給やタイトル獲得料などを約1億5990万円、コマーシャルなどのスポンサー収入を約2億円と推計した。

　藤井名人が、対局時に食べた「勝負めし」やおやつが売れるほか、将棋会館の訪問者が増えるなど、藤井名人のファンに加え、将棋ファンによる消費額を約6億6744万円と計算。これらを基にした波及効果も踏まえ、経済効果は計約35億3487万円と結論づけた。

　宮本名誉教授は観客が数万人にもなるスポーツ観戦や歌手のコンサートと比較し、将棋の対局は数百人程度にとどまると指摘。「個人プレーヤーとしては空前絶後の経済効果だ。（8冠の獲得で）さらに将棋ファンが増えることを期待している」としている。【御園生枝里】