川で溺れている人を協力して救助したとして、春日部消防署（埼玉県）は、いずれも埼玉県春日部市在住で、フリー動画編集者の白瀬颯（はやて）さん（20）と大学生の松永隼人さん（20）に感謝状を贈った。
2人は中学の同級生。6月5日午前0時20分ごろ、同市八丁目を歩いて帰宅中、大落古利根川の方から「助けて」という声が聞こえ、近づくと暗い川面に溺れている人影が見えた。2人は土手を降り、白瀬さんが川に飛び込んで溺れる男性を抱え、浅瀬で待っていた松永さんと協力して岸に引き上げた。
救急車を待つ間、意識がはっきりしない男性に「頑張れ」と声をかけながら心臓マッサージを実施。白瀬さんは心肺蘇生法の講習を受けたことがあるという。救急搬送された男性は20代で、命に別条はなかった。
白瀬さんは「考える時間もなく、とっさの判断で飛び込んだ。泳げないのに、今思うと危険なことをしたと思うが、行動はムダではなかった」と話した。松永さんは「こんな経験は2度とないと思うし、よいことをしたなと思う」と話した。
表彰した高塚忠行・同署長は「とっさに行動に移す判断をするのは難しいこと。2人の勇気ある行動に感謝したい」と話した。【萩原佳孝】
