静岡、山梨、長野、新潟の4県が、官民連携で観光振興を図るプロジェクト「黄金KAIDO（かいどう）」をスタートさせた。土肥金山（静岡）―佐渡金山（新潟）をフェリーと高速道路で結ぶ全長566キロのルートをPRして観光客の周遊を促す。7月から本格的に動き出す。
4県は、中央日本四県サミットなどで関わりが深く、2021年に中部横断自動車道の山梨―静岡間が全面開通し、太平洋と日本海を行き来するアクセスの利便性も向上した。
プロジェクト名は4県に徳川幕府直轄の両金山のほか、山梨県に湯之奥金山、長野県に金鶏金山があり、「街道」「海道」をかけて名付けた。両金山の運営会社2社とフェリー会社2社も協定を結んだ。夏の行楽シーズを迎え、コロナ禍から回復基調の需要の掘り起こしを図る。
7月から来年2月まで、エリア内の高速道路で自動料金収受システム（ETC）利用車を対象に4日間1万8300円（普通車）で乗り放題になるドライブプランを新設。プラン利用者は、駿河湾フェリーと佐渡汽船の運賃を割引き、土肥金山と佐渡金山の入場料も割安にする。金山2社とフェリー2社はそれぞれ共通の御来山印と御船印を制作し、4施設周遊者向けキャンペーンも予定している。
また、今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」にちなみ、徳川家ゆかりのスポットをめぐるイベントなども計画されている。
プロジェクトを提案した静岡県の担当者は「4県の豊富な観光資源を持ち寄り、協力して観光交流人口の拡大につなげたい」と話す。【高橋秀郎】
