ウクライナへの軍事侵攻を巡り、ロシアの正規軍と対立した民間軍事会社「ワグネル」による武装蜂起は一転して沈静化へ向かった。創設者のプリゴジン氏は首都モスクワへの進軍を停止し、ロシアのプーチン大統領はプリゴジン氏を反乱罪に問わない方針だ。ウクライナ情勢を巡る日本時間25日までの動きをまとめた。【デジタル報道センター】
ワグネル、モスクワへの進軍停止を発表
ワグネル創設者のプリゴジン氏は24日夜（日本時間25日未明）、ロシア政府に抗議するため首都モスクワに向かっていたワグネルの部隊による進軍を停止すると発表した。ロシアの同盟国であるベラルーシのルカシェンコ大統領と協議し、事態の沈静化で一致したという。ワグネルと露軍の衝突は、ひとまず回避された。【関連記事】ワグネル、部隊進軍停止発表 ベラルーシ仲介でロシア反乱沈静化か
ワグネル、ロシア南部の制圧地から撤退
ワグネルの戦闘員らがロシア南部ロストフ州の州都ロストフナドヌーから撤収した。ロイター通信が25日、州知事の話として伝えた。ワグネルは24日にロストフナドヌーにあるロシア軍の南部軍管区司令部を制圧していた。【関連記事】ワグネルがロシア南部の州都から撤収 ロイター報道
プーチン氏、ルカシェンコ氏の仲介に謝意
プリゴジン氏が首都モスクワへの進軍を停止したことを受け、ロシアのプーチン大統領は、仲介に当たったベラルーシのルカシェンコ大統領との電話協議で謝意を伝えた。プリゴジンは今後はベラルーシに滞在する見通し。【関連記事】プーチン氏、ルカシェンコ氏に電話で謝意 ワグネル進軍停止の仲介で
プーチン氏、ワグネル創設者を処罰せず
プーチン大統領は24日、プリゴジン氏を反乱罪に問わない決定を下した。ペスコフ大統領報道官が国営メディアで明らかにした。プリゴジン氏がモスクワへの進軍停止と事態の沈静化に同意したため。当初示していた処罰の方針を転換したことに関し、ペスコフ氏は「流血と内紛、先の見通せない衝突を避けることがより重要な目的だった」と指摘した。【関連記事】プーチン大統領、軍事蜂起のプリゴジン氏を反乱罪に問わず
