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玉城デニー知事、防衛強化に「大きな不安」 沖縄慰霊の日


 沖縄は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦の犠牲者らを悼む「慰霊の日」を迎えた。一般住民を含む約20万人が命を落とした日米両軍の地上戦から78年。沖縄県糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園で県と県議会主催の「沖縄全戦没者追悼式」が営まれた。玉城デニー知事は「平和宣言」で、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有などを明記した国の安全保障関連3文書について「県民に大きな不安を生じさせている」と懸念を表明。対話や外交による緊張緩和を求めた。

 政府は近年、軍事的活動を活発化させる中国などを念頭に、沖縄・鹿児島両県に連なる南西諸島の防衛体制を強化してきた。鹿児島県の奄美大島や沖縄県の宮古島、石垣島に陸上自衛隊駐屯地を開設し、ミサイル部隊を配備。沖縄本島や日本最西端の与那国島(沖縄県)にも新たなミサイル部隊の配備を計画する。

 2022年12月に閣議決定した安保関連3文書では、相手国のミサイル発射拠点などをたたく反撃能力の保有を明記。その手段となる長射程のミサイルが今後、南西諸島に配備される可能性もあり、沖縄では「攻撃対象になる」と反対の声が上がる。玉城知事も6月9日、反撃能力を持つミサイルなどを県内に配備しないよう政府に要請した。

 この日の平和宣言でも、玉城知事は安保3文書の改定に言及し「苛烈な地上戦の記憶と相まって、県民に大きな不安を生じさせている」として、対話による平和外交を求めた。全国の米軍専用施設面積の70%が県内に集中する状況についても、改善を訴え、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画は断念するよう求めた。

 参列した岸田文雄首相はあいさつで、沖縄の過重な米軍基地負担について「重く受け止めている」とし、負担軽減に取り組む考えを示した。さらに「安全保障環境は戦後最も厳しく複雑だが、平和に暮らせる世の中を実現するため不断の努力を重ねていく」と述べたが、南西諸島の防衛力強化や辺野古移設には言及しなかった。

 追悼式は4年ぶりに通常規模で開催され、衆参両院議長や県内の遺族会代表ら招待者のほか、市民ら計約4000人が参列した。

 沖縄戦では1945年4月1日に米軍が沖縄本島に上陸し、日本軍の組織的戦闘が終結したとされる6月23日まで約3カ月間の地上戦となった。一般住民9万4000人を含む約20万人が亡くなった。沖縄はその後、27年間、米国に統治され、72年に日本に復帰した。【比嘉洋】

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