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重い障害持つ83歳、自立への道のり語る 「できることする」


 障害者や社会問題の現状を当事者が発信するトークライブイベント「ミートアップ!パラピープル」が17日、宇都宮市元今泉5の市まちづくりセンター「まちぴあ」であった。重い障害を持ちながらも宇都宮市で一人暮らしをする箱石充子さん(83)が登壇し、約40人を前に障害とともに歩んだ半生や障害者の自立について語った。

 箱石さんは生後間もなくはしかと肺炎にかかり、高熱の後遺症で脳性まひになった。「就学免除・猶予」の対象にされ学校に通えず、子どもからは障害をからかわれ、大人からは同情の目で見られた。

 体を思うように動かせないが、思いは他の女性と同じだ。「オシャレをしたい」「カップルで喫茶店に入り、いつまでもおしゃべりをしていたい」「強烈な恋愛をして、結婚して子どもを育ててみたい」。やりたいことはたくさんあったが、一番は親元を離れ自立することだった。

 反対する家族を説得して20歳のころに親戚に紹介された千葉県の施設に入所した。編み物や刺しゅうの仕事で貯金し、48歳の時に宇都宮市で念願の一人暮らしを始めた。宇都宮大の正門で「あなたの時間を、私に少しわけてもらえませんか?」と記した自作のチラシを配って自身でボランティアを募り、後に障害者の自立生活を支援する「自立生活センターとちぎ」を設立した。箱石さんは施設で過ごした時にさまざまな障害を持つ人に出会い、家族や親戚に遠慮して生きていると感じたという。

 箱石さんが暮らす市営住宅は、ヘルパーが介助しやすいようバリアフリーにし、介護用の浴槽を設置するなど必要な改修が施されている。箱石さんは障害者の自立について、「私は立てないけれど、車椅子から起こしてもらい、トイレに連れて行ってもらえば用を足すことができる。コップを持ってくれればうがいができる。できないことを考えるのではなく、障害があっても、できることをすることが大切だと思う」と強調。「障害を持つ人はありのままをさらけだし、健常者と呼ばれる人たちは、障害を持つ人に優しい心で接してほしい」と語りかけた。

 次回のトークライブイベントは8月26日、宇都宮市で自立や生活支援サポートのためのグループホームを運営する赤松里去子さんと山野井賢祐さんを招き、宇都宮市下荒針町の「ララカフェ」で開催する。参加費1000円(1ドリンク付き)。申し込みは地域サポーターダンクの会。問い合わせは同会の小林さん(090・9800・3224)。【渡辺佳奈子】

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