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「整う」はずが…サウナ中の体調不良、25%超入院必要 救急統計


 サウナの人気が高まりを見せる中、福島県中部に位置する郡山地方広域消防組合が2013~22年の10年間でサウナに関連した救急搬送の統計をまとめた。サウナ中に体調不良になるなどして救急搬送された101人のうち、4分の1超は入院が必要な中等症・重等症だった。同組合は入浴方法に注意を呼び掛け、事業者も対策の強化に乗り出している。

 同組合は、郡山、田村の2市、小野、三春の2町を担当し、4市町の人口計約38万人をカバーしている。救急統計をまとめたのは、栃木県日光市のサウナ施設で6月10日に20代の男性が冷水浴中に溺死する事故が起きたのがきっかけとなった。総務省消防庁によると、国ではサウナに特化した救急統計をまとめたことがなく、同組合の統計はユニークな試みだという。

 搬送者の74人(73・3%)は軽症だったが、中等症が18人(17・8%)、重症が9人(8・9%)に上っていた。男女別は男性が76人(75・2%)、女性が25人(24・8%)で、年代別では60歳以上が71人と約7割を占めた。症状別は、失神・意識障害30人(29・7%)、熱中症・脱水症24人(23・8%)、脳疾患5人(5・0%)の順だった。

 熱気浴と冷水浴を繰り返し体を「整える」サウナブームは福島県内にも波及しており、特に22年以降、森林などの自然に囲まれた屋外施設が県中、県南地域で相次いでオープンした。須賀川市のように、民間事業者が市有公園内で開業した例もある。近年は温度を80度など高めに設定した施設に人気が集まるという。

 ただ、同組合によると、体温が高まると血管が拡張し、血圧が下がる。そこで一気に冷水につかると、血管は縮まり血圧が急激に上がってしまう。体を「整える」どころか、場合によっては負荷をかけてしまう。

 冬に自宅の浴室で起こる「ヒートショック」の逆現象だ。サウナ室から出た後に冷水とみられるシャワーを浴びていて意識を失った中等症の70代男性もいたという。同組合の担当者は「サウナは健康に良い半面、無理をして自分の体調管理を怠ると、生命に危険を及ぼしかねないことを理解したうえで楽しんでほしい」と話している。【根本太一】

サウナ併設の施設、救命救急講座を受講

 福島県猪苗代町の猪苗代湖畔にある「Roots猪苗代 Lake Area」は26日、猪苗代消防署員を招いて救命救急の講座を受講する。栃木県日光市の事故を受け、利用客らの安全対策を徹底する。↵  施設は4月に開業した。バーベキューを楽しみながら寝泊まりできるテントに加え、サウナの眼前に広がる湖面で体を冷やせるのも「売り」の一つ。熱気浴後、湖に飛び込む客を見かけることもある。↵  スタッフは、サウナ利用客に対して水分持参、熱気浴は最長1回15分未満、アルコール禁止――などさまざまな注意書きを示して同意署名を求めている。しかし、日光市の事故を踏まえ、サウナ利用後に湖に泳ぎ出して行く利用者も想定する。↵  救命の講座では、心臓マッサージや人工口呼吸、AED(自動体外式除細動器)の扱い方を学ぶ。スタッフの一人は「サウナ後の遊泳は体に大きな負荷がかかる。万が一にも湖面で溺れている方を想定し、消防署に個別開催を願い出た」と話す。

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