北大西洋の海底3800メートルに沈む豪華客船タイタニック号の探索中に行方不明になった潜水艇「タイタン」を捜索している米沿岸警備隊は22日（日本時間23日未明）、無人探査機が海底のタイタニック号近くで破片のようなものを見つけたと発表した。ツイッターで明らかにした。専門家が情報を評価している。潜水艇には英国の実業家ら5人が乗っていた。
潜水艇は18日朝に潜航を始め、約1時間45分後に洋上の母船との連絡が途絶えた。米国とカナダ当局が捜索を開始。カナダの哨戒機が海中の音を感知したほか、米CNNによると、海中で何かを「たたく音」が複数回、確認された。潜水艇に備え付けられた酸素は、22日朝（日本時間22日夜）に尽きるとみられていた。
タイタンは、海底探査などを企画する米オーシャン・ゲート社が運航。同社は7泊8日で1人当たり25万ドル（約3500万円）のタイタニック号探索ツアーを企画していた。同社によると、タイタンは全長6・7メートルで、水深約4000メートルまで潜水できるとされる。
英米メディアによると、操縦士である同社最高経営責任者（CEO）のストックトン・ラッシュ氏のほか、英実業家のヘイミッシュ・ハーディング氏、パキスタン実業家のシャザダ・ダウッド氏とその息子のスルマン氏、仏海洋専門家のポール・アンリ・ナルジョレ氏の4人が乗り込んでいた。【ニューヨーク八田浩輔】
