starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

岸田首相、衆院解散見送り 内閣不信任案提出なら「即刻否決」指示


 岸田文雄首相は15日、首相官邸で記者団に対し「今国会での解散は考えていない」と述べた。首相の発言に先立ち立憲民主党は岸田内閣に対する不信任決議案を16日に衆院に提出する方針を固めたが、首相は提出された場合には「即刻否決」するよう自民党の茂木敏充幹事長に指示したことも明らかにした。

 与野党で取り沙汰され続けてきた、内閣不信任案の提出を「大義」とする衆院解散・総選挙が見送られるのは確実になった。

 首相は午後6時20分ごろ、官邸を離れる際に記者団の取材に応じ、「先送りできない課題に答えを出していくのが岸田政権の使命で、この基本姿勢に照らして対応していくと度々申し上げてきた」と言及。「複雑化する国際情勢への対応や持続的な賃上げの実現、人、脱炭素、デジタルといった新しい分野への投資、こども子育て戦略(こども未来戦略方針)をまずは前に進めていかなければならない」と強調した。「解散はしないということか」との質問に対し、「考えて……今は……」と思案した後、「今国会での解散は考えていない」と明言した。公明党の山口那津男代表にも不信任案の提出を受けた際の協力を求めたという。

 首相は2024年秋の自民党総裁選での再選を見据えた衆院解散・総選挙の時期を探り続けてきた。

 各種世論調査による岸田内閣の支持率は年明け以降、日韓関係の改善や広島での主要7カ国首脳会議(G7サミット)開催を受けて上昇傾向。日経平均株価もバブル期以来の高水準で、自民党内からは「解散するなら今しかない」との声が出ていた。

 一方で、首相の長男で首相秘書官を務めていた翔太郎氏が首相公邸での忘年会問題で批判を浴び、事実上更迭せざるを得なくなったほか、マイナンバーを巡るトラブルも相次いで発覚。連立政権を組む公明党とも次期衆院選を巡る選挙区調整でしこりを残し、このタイミングでの総選挙を危ぶむ声も出ていた。

 首相は13日の記者会見で「会期末間近になって、いろいろな動きがあると見込まれる。情勢をよく見極めたい」と発言。不信任案が提出されれば解散する可能性を示唆したとして、与野党ともに緊張が高まった。首相は不信任案への対応を巡り「多様な選択肢がある」と周囲に語っていたが、15日の午前中は首相官邸での会議や面会日程をほぼ入れず執務室にこもり、対応を検討していたとみられる。官邸幹部は解散見送りを表明することについて「今日決まった」と明かした。

 今国会会期中の解散が見送られたことで、首相は今後、秋の臨時国会や来年1月召集の通常国会に合わせた解散を模索するとみられる。

 一方、立憲の泉健太代表は、首相の発言に先立つ15日、国会内で岡田克也幹事長や安住淳国対委員長らと会談し、不信任案の提出方針を確認した。16日の参院本会議で予定している防衛費増額の財源を確保するための特別措置法案(財源確保法案)やLGBTQなど性的少数者への理解増進法案などの採決後、21日の今国会会期末を待たずに実質的な総括として不信任案を提出する方針だ。提出されれば22年6月以来となる。共産党は不信任案に賛成し、日本維新の会と国民民主党は反対する構えを見せている。【小田中大、中村紬葵、森口沙織】

    Loading...
    アクセスランキング
    starthome_osusumegame_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.