「裁判で事実関係が認められれば、(ハラスメントで)苦しんでいる人たちに勇気を与えられたり再発防止につながったりすると思う。逃げずに闘いたい」。閉廷後、五ノ井里奈さんは横浜市内で記者会見し、毅然(きぜん)とした表情でそう語った。
被告の元隊員5人のうち4人が「性的暴行はなく、事実関係は異なる」などとして請求棄却を求めた。これについて、五ノ井さんは2022年10月に4人のうち3人から加害の事実について直接謝罪されたとして、「事実関係を認めない姿勢にショックを受けている。悲しさや悔しさ、怒りなどを感じる。謝罪は形だけだったんだなと思う。しっかり反省して罪を認めてほしい」と訴えた。
加害の事実を認めた国に対しては、「今も現役の自衛官の中でハラスメントで苦しんでいる人もいると思う。自衛隊には隠蔽(いんぺい)体質もある。ハラスメントのない環境をつくってほしい」と要望した。【園部仁史】