吉野ケ里遺跡の石棺、14日にも全容判明か 掘り起こし8割終了

　国指定特別史跡「吉野ケ里遺跡」（吉野ケ里町、神埼市）の石棺墓調査で、県は13日、石棺内部の約8割の掘り起こしが終わったと発表した。石棺の底部分まで残り2～10センチほどで、早ければ14日にも石棺全体の概要が分かる見通しだ。

　13日の調査では、石棺内部の8区画全体で5～10センチの掘り起こしを進め、石棺内側の10枚の板状の石のうち、6枚で赤色顔料を確認した。県文化財保護・活用室の白木原宜室長は「4枚だけ塗られていないということは考えにくく、石棺内部全体に赤色顔料が塗られていたのではないか」と推測する。

　副葬品や人骨は見つかっていないが、白木原室長は「副葬品はあるとすれば墓の底部分に位置するので、残り2、3センチが勝負。鏡のような平たい副葬品ならば、可能性はある」と話す。【上村里花】