京都府井手町の専門学校生だった木村京花さん(当時19歳)が2016年に行方不明になり、22年に奈良市の若草山で遺骨が見つかった事件で、殺人罪に問われた無職、末海征河(せいが)被告(26)=同町=の裁判員裁判の初公判が5日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で始まった。末海被告は「殺していません」と起訴内容を否認した。
起訴状などによると、末海被告は16年10月22日未明、井手町内に止めた乗用車内で、助手席に座っていた木村さんの首を手で絞めて殺害したとしている。死体遺棄罪については公訴時効が成立している。
弁護側は「末海被告が車外に出て目を離した隙(すき)に、木村さんが充電コードを首に巻き付け、自殺した」と主張。遺体を遺棄したことは認めたが、殺害については全面的に争う姿勢を見せた。
検察側は冒頭陳述で、末海被告と木村さんは幼なじみで交際中だったとし、遺骨の一部が末海被告の供述に基づいて若草山で見つかったと指摘。事件前日からけんかになり、車内で首を絞めて殺害したと主張した。【久保聡】