ドイツ、ロシアに一部の領事館閉鎖を要求 対抗措置で

　ドイツ外務省は5月31日、ドイツ国内にあるロシア領事館五つのうち四つの設置許可を取り消し、ロシアに閉鎖を求めたと発表した。ロシアが同国に駐在するドイツ外交官ら公務員の人数を制限したことへの対抗措置だという。

　ドイツ国内には、ボン、フランクフルト、ハンブルク、ライプチヒ、ミュンヘンに領事館がある。独外務省報道官によると、独政府はロシアに対し、このうち領事館一つと首都ベルリンの大使館を残し、その他は年内に閉鎖するよう求めたという。

　同報道官によると、ロシアは6月以降、同国内のドイツ大使館や学校などに勤務する人数を350人に制限すると決定。これを受け、独政府はカリーニングラード、エカテリンブルク、ノボシビルスクの領事館閉鎖を決めたという。モスクワの大使館とサンクトペテルブルクの領事館は残る。同報道官は「ロシア側がエスカレートの一歩を踏み出した」と非難した。ロイター通信によると、ロシア外務省は独政府の決定を「看過できない」と非難した。

　ロシアによるウクライナ侵攻後、ドイツとロシアは互いに外交官の追放を繰り返している。【ベルリン念佛明奈】