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遺族側「少年院での矯正教育に問題」 福岡商業施設刺殺国賠訴訟


 福岡市の大型商業施設で2020年8月に買い物客の女性(当時21歳)が刺殺された事件で有罪判決となった少年(18)が、事件前に入所していた少年院で適切な矯正教育を受けていなかったことなどが事件につながったとして、女性の母親ら遺族が国に約6170万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が29日、福岡地裁(上田洋幸裁判長)であった。遺族側の代理人弁護士が意見陳述し、少年が少年院を仮退院する際に関係機関で情報共有する会議が開かれなかったとして「合理性を欠き違法だ」と強調した。国側は請求棄却を求めた。

 遺族側の代理人弁護士によると、少年事件を巡り、矯正施設の責任を争う訴訟は異例という。

 少年は殺人罪などに問われ、福岡地裁が22年7月に懲役10年以上15年以下の不定期刑を言い渡して確定した。確定判決によると、当時15歳だった少年は20年8月に西日本にある少年院を仮退院し、福岡県内の更生保護施設に入ったが、1日で脱走。その翌日の8月28日、福岡市中央区の商業施設で女性の首などを包丁で複数回刺して殺害するなどした。

 遺族側は訴状で、少年は小学生の頃から暴力行為を繰り返し、中学2年から少年院に入所したが、少年院では特性に応じた処遇プログラムや根本的な治療は実施されていなかったと主張。少年院は仮退院時に、障害や複雑な成育環境がある場合に関係機関が集まって話し合う「処遇ケース検討会」を開催せず、受け入れ先の更生保護施設にも適切な情報提供をしていなかったとし、その結果、脱走を許したとしている。

 29日の意見陳述で、代理人弁護士は「少年の粗暴性、異常性、執拗(しつよう)性は十分明らかで、(仮退院時には)関係機関を招集し、慎重に受け入れ態勢を講じなければならなかった」と指摘。「結果はあまりにも重大だ」と訴えた。【志村一也】

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