茂木氏「社保料上げない」発言に省庁困惑 3兆円の財源は?

　自民党の茂木敏充幹事長は29日の記者会見で、岸田文雄首相が掲げる「異次元の少子化対策」の財源に関し、28日の広島市内の党会合で「現時点で社会保険料の引き上げとか積み増しは考えていない」と述べた真意を問われ「今企業は賃上げなどを進めている。その妨げにならず、個人にとっても実質的に負担増とならない仕組みにしていきたい」と語った。

　茂木氏は会見で「歳出改革等の徹底で、負担軽減を図っていくことが重要だ」と指摘。「まず3年間、加速化プランを進めるのに必要な予算規模、それに必要な財源の確保が出てくる。まずはそこから始める」とも語った。

　一方、政府は来年度から3年間で集中的に取り組む「加速化プラン」で年間3兆円規模の財源を確保したい考えで、その一部を医療保険の保険料と併せて徴収することを検討している。「茂木発言」に、関係省庁では戸惑いの声が聞かれる。厚生労働省幹部は「3兆円全部を歳出改革で賄う、という趣旨ではないとは思うのだが、よく分からない」と困惑した様子で語った。【菊池陽南子、小鍜冶孝志】