トルコ大統領選の決選投票が28日、始まった。約20年にわたって権力を維持するエルドアン大統領（69）と、野党統一候補で共和人民党のクルチダルオール党首（74）との戦いで、接戦が予想される。
争点は、エルドアン氏の強権的な政治手法の是非やインフレが続く経済、トルコと敵対する非合法組織「クルド労働者党」（PKK）への対応などだ。外交面でも、ロシアを重視するエルドアン氏と、欧米との関係強化を訴えるクルチダルオール氏は大きく異なり、選挙結果は国際社会にも影響を与える。
首都アンカラの中心部では早朝から多くの人が投票所に向かった。タクシー運転手のシナン・バイラムさん（33）はエルドアン氏に投票。「イスラム教の価値観を重視しながらトルコを発展させる指導者は、他にいない」と話した。
大学生のフルカン・ユルドゥズさん（20）は、クルチダルオール氏に1票を託した。「トルコの民主主義を守る上で、最も重要な選挙だ。新しいリーダーには司法の独立や報道の自由を取り戻してほしい」と述べた。
投票は28日午後5時（日本時間同日午後11時）に締め切られ、28日夜（同29日朝）に大勢が判明する見通し。【アンカラ三木幸治】
