徳川家康ゆかりの地に生える植物から採取した酵母を使って醸造したクラフトビール「家康公CRAFT」のお披露目イベントが27日、静岡市内であった。NHK大河ドラマ「どうする家康」に出演する俳優、波岡一喜さんも参加し「クラフトビール王国と言われる静岡から全国に人気が広がってほしい」とエールを送った。【丹野恒一】
大河を地域の発展に生かそうと、市と市内の醸造所、静岡大が産官学連携で昨年から取り組んできたプロジェクト。駿府城公園（葵区）や久能山東照宮（駿河区）、三保松原（清水区）などで植物の酵母を約2600採取して発酵能力を調べ、静岡浅間神社（葵区）境内に生えていたフタバアオイの酵母を使うことを決めた。
市内で醸造されたのは、アオイブリューイング（葵区）のゴールデンエール、静岡醸造（駿河区）のユズラガー、ホースヘッドラブズ（清水区）のペールエール――の3種で、各醸造所がそれぞれ独自のクラフトビールに仕上げた。1本330ミリリットル入りで、価格は各700円、3種セット2000円（いずれも税込み）。27日から、静岡浅間神社のギフトショップで2700本限定で販売が始まった。
大河では、波岡さんが演じた戦国武将、本多忠真（ただざね）は、酒を飲むほど強くなる「飲んべえ侍」として描かれた。役柄の縁から「生まれ育った大阪、長く暮らす東京に次いで、静岡は第三の故郷」という波岡さん。特設ステージで3種類をおいしそうに飲み比べ、「苦みがグッとくる感じ」「酵母の発酵の香りなのかフルーティーだ」などと一つ一つの印象を語って会場を盛り上げていた。
