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「相談すると逮捕」 周到に練られた手口、暗号資産でマネロンか


 愛知県知多市の女性から現金約1760万円をだまし取ったとして愛知県警などの合同捜査本部が詐欺容疑で東京の会社経営者ら2人を逮捕した事件は、詐欺グループが暗号資産を使って被害金の追跡を逃れようとしていた実態が浮かび上がった。グループは周到に練られた手口で被害者にうそを信じ込ませていた。

 愛知県警は24日までに、貴金属買い取り会社「クラッカーズ」(東京都新宿区)の実質経営者、宮代東生(あずま)(35)=埼玉県川口市=と、同社代表取締役、本間周平容疑者(35)=東京都新宿区=の2容疑者を詐欺容疑で逮捕した。

 宮代容疑者らの詐欺グループはセキュリティー関連協会職員や警視庁警察官などを名乗り、知多市の女性(78)に話を信じ込ませる一方、「周囲に相談すると逮捕される」と強く口止めしていた。

 協会職員を名乗る男から最初に電話があったのは昨年2月。「あなたの携帯電話が(身代金要求型のコンピューターウイルスの)ランサムウエアに感染し、50人の被害者が出ている」と告げ、50万円のサイバー保険に入れば100万円の補償が受けられると説明した。女性が「息子に相談したい」と切り出すと、男は「家族に相談するのは絶対ダメ。警察が捜査しているので捜査妨害で逮捕される」と口止めしてきた。

 後日、警視庁警察官を名乗る男からも連絡があり「ランサムウエアの捜査をしている。周囲に相談すると逮捕される」と告げられた。女性は協会職員の男の指示を受けて50万円を振り込んだが、別の日に再度この男から連絡があり「被害者は100人近くになり、5600万円の被害が出ている」とさらに現金を要求されたという。

 協会職員の男から「返金する」と言われていたのに、その後連絡がないことなどを不審に思った女性は家族に相談し、昨年5月に被害届を提出していた。

 愛知県警幹部はこうした手口について「非常にストーリー性があり、信じ込ませるため周到に練られている。変わった電話や出来事があればとにかく家族や警察に相談してほしい」と注意を呼びかけている。

 一方、合同捜査本部は、女性からの被害届けを受け、捜査を進めてきた。昨年4月に発足した警察庁サイバー特別捜査隊の支援を受け、女性が現金を振り込んだ三十数口座から被害金の流れを調べたところ、暗号資産に交換された後に換金された一部の現金が最終的にクラッカーズ名義の口座に入っていたことを突き止めたことが立件につながった。

 特別捜査隊による暗号資産取引の追跡により特殊詐欺事件の容疑者が逮捕されたのは初めて。

 同社の口座には約6億円が送金されており、捜査本部は詐欺事件の被害金かどうかを調べている。【山下俊輔】

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