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突然の頭痛から数日後…タリウム殺害被告の叔母に何が起きたのか


 頭痛がする――。宮本一希被告(37)=別の殺人罪で起訴=に毒性の強いタリウムを摂取させられたとする叔母の宮本紫(ゆかり)さん(61)は2020年7月中旬、突然そう訴えて医療機関を受診したという。自宅で療養していたが、容体が急変して病院に運ばれたのはその数日後。今も意識が戻らないままで、知人らは「あんなに元気だったのにどうして……」と不審がる。

一族の資産を管理するしっかり者

 宮本被告は、知人で立命館大3年だった浜野日菜子さん(当時21歳)にタリウムを摂取させて22年10月に殺害したとする殺人罪で起訴されている。大阪府警は宮本被告が紫さんにもタリウムを摂取させ、意識不明の重篤な状態にした疑いが強まったとして、殺人未遂の疑いで逮捕状を取った。24日午後にも再逮捕する。

 宮本被告の一家は京都では資産家として知られる。その財を築いたのが被告の祖父だ。銀行員から不動産業に転身し、京都市内に複数の不動産を所有した。祖父には2人の子がおり、1人が宮本被告の父(20年6月に死亡)、もう1人が紫さん。祖父が頼りにしていたのが紫さんで、「資産の管理は任せる」と言い残して亡くなったという。

 兵庫県内の大学を卒業後、茶道教室の講師になっていた紫さんは00年、祖父の不動産会社を引き継ぐかたちで設立された別の不動産会社の取締役に就任。茶道の講師を続けながら、資産管理をしていたとされる。婚姻歴はあるものの、離婚して子どもはいない。

被告にビジネス手法をアドバイスも

 周囲からは質素な倹約家と見られていた。古くからの付き合いだという知人は「お金は持っていたはずだが、散財はしない人。外食も町の洋食店や中華料理店に出掛けるくらいで、有名店には行かなかった」と振り返る。「父が苦労して築いたものをきちんと守らないといけない」というのが紫さんの口癖だったという。

 健康にも気を使い、日ごろから水泳で体を鍛えていた。ボランティア活動にも熱心で、20年9月からは地元の奉仕団体「国際ソロプチミスト京都」の会長を務めるはずだった。自殺の動機がなかったとされる事情の一つだが、就任が間近に迫った7月に倒れた。団体の活動を知る女性は「周囲への気配りができて後輩の面倒見も良い。みんなから頼りにされる存在」と話す。

 宮本被告との関係はどうだったのか。被告が幼い頃は、東京ディズニーランドにも遊びに連れて行ったという。被告は大学院を卒業後、大手企業勤務を経て京都に戻りビジネスを始めている。舞妓(まいこ)を招いてお座敷遊びを提供したり、ホテルの宴会場に舞妓を派遣したりするイベント企画会社で、この「舞妓ビジネス」を勧めたのも紫さんだったとされる。「しっかり者の叔母がいたからこそ、(被告は)仕事をさせてもらえていた」と話す人もいる。

 古くからの知人は「紫さんは人のために一生懸命になれる人。なぜ事件に巻き込まれたのか知りたい」と真相解明を求めた。【洪玟香】

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