中国やロシアの示威活動 「重大な懸念」 防衛白書素案

　防衛省がまとめた2023年版防衛白書の素案が23日、判明した。中国、ロシア両軍の艦艇や爆撃機が日本周辺で共同の軍事活動を重ねているとして「我が国に対する示威活動を明確に意図したもので、安全保障上重大な懸念」と指摘。弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮について「従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威」と明記した。7月にも閣議で報告し、公表する。

　白書では、中国の軍事動向について「我が国と国際社会の深刻な懸念事項」「これまでにない最大の戦略的挑戦」などと明記。中国軍機は昨年延べ1700機以上台湾周辺空域に進入するなど軍事活動を活発化させており、今世紀半ばとしていた「世界一流の軍隊建設」の目標前倒しを検討している可能性があるとした。

　北朝鮮の度重なるミサイル発射を「より実戦的な形で挑発行為をエスカレートさせている」と非難。ロシアの日本周辺での活発な軍事活動についても「中国との戦略的な連携と相まって安全保障上の強い懸念」とした。また昨年末にまとめた国家安全保障戦略などに基づき、情報戦への対応や必要な弾薬の確保など継戦能力の重要性も新たに盛り込んだ。【源馬のぞみ】