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メタに制裁金1790億円 アイルランド、米へのデータ移転停止命令


 アイルランドのデータ保護当局は22日、フェイスブック(FB)を運営する米IT大手メタが、欧州連合(EU)から米国への利用者データ移転に関し、EUの個人データ保護規則に沿った適切な措置を取らなかったとして、12億ユーロ(約1790億円)の制裁金を科すと発表した。5カ月以内に米国への個人データ移転を停止することも命じた。

 アイルランドにはメタが欧州での拠点を置いている。今回の制裁額は、個人データを巡るEU当局による制裁金では過去最大。命令通りデータ移転が停止されれば、欧州でのFB運営に極めて大きな影響が出る。メタのニック・クレッグ国際担当責任者は「決定は不当であり、EUと米国の間でデータを転送する多くの企業にとって危険な先例となる」と強く反発。制裁金や停止命令の一時停止を求めて裁判に訴える方針を示し、「欧州のFBにすぐに支障が出ることはない」と主張した。

 EUは2018年に施行した一般データ保護規則(GDPR)で、個人データの域外移転を大きく制限している。欧州司法裁判所は20年、米EU間のデータ移転を可能にする枠組み「プライバシー・シールド」がGDPRに沿わないとして、無効とする判断を示していた。このためメタは「標準契約条項」と呼ばれる契約書のひな型を利用した代替的な枠組みで米EU間で利用者データを移転してきたが、アイルランドのデータ保護当局はメタの手続きが「データ主体の基本的権利および自由に対するリスクに対応していない」とする判断を下した。

 この問題はもともと、オーストリアの著名弁護士、マックス・シュレムス氏が13年に、フェイスブックのデータ収集・処理を巡りアイルランド当局に訴えたことに端を発する。当時、米国家安全保障局(NSA)元職員、エドワード・スノーデン氏の告発で米政府による大量監視問題が発覚し、シュレムス氏は米国に送られた欧州の利用者データの取り扱いに疑義を呈した。

 欧州司法裁は15年、「プライバシー・シールド」の前身となる米EUのデータ移転の枠組み「セーフハーバー」を無効と判断。これを受け、16年にプライバシー・シールドが導入されたが、これについても欧州司法裁が20年に無効と判断した。【ブリュッセル岩佐淳士】

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