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インド・モディ首相がパプアニューギニア初訪問 FIPIC首脳会議


 インドのモディ首相は21日、インドの首相として初めて南太平洋のパプアニューギニアを訪問した。22日には14の島しょ国との協力枠組み「インドと太平洋諸島フォーラム(FIPIC)」の3回目の首脳会議に出席し、気候変動対策や経済・貿易分野の連携を深める方針を示した。バイデン米大統領がパプア訪問を中止した中、モディ氏としては島しょ国への関与の強化を独自にアピールするチャンスとなった。

 モディ氏は首脳会議の冒頭で「新型コロナウイルス禍をはじめ世界はさまざまな困難に直面した。これらの問題の影響を最も受けているのは『グローバルサウス』(新興国・途上国)だ」と強調。食料や燃料、肥料などの世界的な供給網が乱れる中、「インドが太平洋諸島の友人たちの側に立ってきたことをうれしく思う」と述べた。モディ氏はパプアのマラペ首相との会談にも臨んだ。

 FIPICは、モディ氏が2014年11月にインド系の住民が約4割を占めるフィジーを訪問した際に設立された。貿易やビジネス関係者の交流促進を通じて主に経済協力を進めるのが狙いで、インドは国内にFIPICの貿易事務所を設けたほか、島しょ国に教育や医療分野などの開発援助も実施してきた。15年にはインド北部で2回目の首脳会議を開催。今年2月にもジャイシャンカル印外相がフィジーを訪問するなど、島しょ国と協力関係を築いている。

 インドは1990年代初頭に「ルック・イースト(東方政策)」を導入し、東南アジアや東アジアとの経済協力に取り組んできた。モディ政権はこれを格上げした「アクト・イースト(東方重視)」を提唱し、インド太平洋地域への関与を強めている。背景には、国境紛争を抱える中国の海洋進出への警戒感がある。中国は港湾開発などを通じ、インドが勢力圏とみなすスリランカをはじめとするインド洋沿岸部で影響力を強めている。

 一方、インドにとっては、米中競争が激化することも望ましくない。インドは大国間の対立にとらわれることなく、自国の利益に応じて相手と連携する「戦略的自律性」を重視している。米中対立が深まり、南太平洋島しょ国が米中いずれかの陣営に取り込まれることを避けたい思惑がある。

 バイデン氏はパプアの後に予定していたオーストラリアへの訪問も中止。岸田文雄首相も、同国で開催予定だった日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会議に出席するための豪州訪問を取りやめた。対照的にモディ氏は予定通り、豪州も訪問し、アルバニージー首相と会談する方針だ。【スリナガル(インド北部)川上珠実】

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