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ゼレンスキー氏原爆資料館見学 ヒロシマが求める「平和」伝わったか


 史上初めて被爆地・広島に集った主要7カ国首脳会議(G7サミット)が終わった。ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領が20日に急きょ来日して一挙手一投足が注目され、21日には原爆資料館や原爆慰霊碑を訪ねた。G7首脳、戦争のさなかのトップ、そして核兵器廃絶を求めるヒロシマの心。それぞれの「平和」の意味は異なり、そこへの道筋も一致しないまま、世界はサミット後へと進み出す。

 「ロシアが使ったのは核兵器ではないが、全焼したウクライナの町は、原爆資料館で見た広島の風景の写真と似ていた」。ゼレンスキー氏は21日夜、こうスピーチした。

 サミット閉幕後の21日午後5時過ぎ、ゼレンスキー氏の長い車列が広島市中区の平和記念公園に向かった。沿道には多くの人が集まり、黒塗りの車の右後部座席のゼレンスキー氏は時折手を振って応えた。公園近くのビルの屋上では、その姿を一目見ようと日本に住むウクライナ人約30人が待ち構えた。

 午後5時23分。公園内の原爆資料館の東館前に降り立ったゼレンスキー氏はいつものカーキ色の服ではなく、黒のトレーナー姿。胸には「UKRAINE(ウクライナ)」と小さく記されている。周囲を固める軍服姿の面々が戦時下の訪問を物語った。

 資料館の滞在時間は約40分。19日に米国のバイデン大統領らにも証言した被爆者の小倉桂子さん(85)と面談した。小倉さんは自身の被爆体験とともに、公園内にある「原爆の子の像」のモデルになった佐々木禎子さんの話を紹介したといい、代表取材に「お話しできてうれしかった。広島に住む被爆者として、お役目が果たせた。今夜はちょっと休みたい」と振り返った。

「広島のように再建したい」

 岸田文雄首相と一緒に出てきたゼレンスキー氏は夕日を浴びながら、険しい表情で何かを語り合いつつ慰霊碑へ進んだ。ウクライナ国旗の青と黄色のリボンが巻かれた花束をささげ、約5秒間、黙とう。口を結んだまま記念撮影に応じ、松井一実・広島市長による慰霊碑やその先に見える原爆ドームの説明に何度もうなずきながら耳を傾けた。

 午後7時半ごろから公園内の会場でスピーチに臨み、子どもたちを拉致する戦争犯罪が行われているなどとしてロシアを強い口調で非難。「広島のように、私たちの町も再建したい」と眉間(みけん)にしわを寄せて語った。

 スピーチに先立ってゼレンスキー氏と会談した岸田首相は今回の献花について「核兵器のない世界に向けて取り組む上で大変重要な意義を有する」と語った。【中村清雅、小坂春乃、高木香奈、岩本一希】

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