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三井松島HD、110年続く石炭生産終了へ 採掘見通し立たず


 三井松島ホールディングス(HD)は15日、祖業の石炭生産から2023年度中に撤退すると発表した。脱炭素社会に向けた機運の高まりを受けて石炭以外の事業で経営多角化を進めてきたが、海外で今後の採掘の見通しが立たなくなったことから、110年続く石炭生産事業を終えることにした。

 三井松島HDは1913年創業で、九州最後の炭鉱、池島炭鉱(長崎市)などで石炭採掘を手掛けてきた。2001年の池島炭鉱閉山で国内の石炭生産から手を引き、石炭以外の事業で企業の合併・買収(M&A)を図り、スーツ縫製やストローの製造など経営多角化を進めてきた。

 脱炭素社会にむけた規制強化や機運の高まりを受け、2040年代の石炭事業からの完全撤退を18年に表明していた。

 欧州企業と権益を持つ豪リデル炭鉱で石炭を生産し、製鉄会社などに販売。23年9月にリデルでの採掘終了後、権益をもつ隣接鉱区での採掘を見込んでいたが、採掘許可を州当局から得られる見通しが立たず、石炭事業終了を前倒すことにした。吉岡泰士社長は「石炭事業が終わるのは十分想定していたこと。分野を絞らず、日本経済に必要とされる事業でM&Aを進め、新しい会社で勝負したい」と話した。

 三井松島HDがこの日に発表した23年3月期連結決算は、売上高が前期比71・7%増の800億円、営業利益は357億円、最終(当期)利益は229億円といずれも4・2倍に増えた。ロシアによるウクライナ侵攻に伴う石炭価格高騰で利益は拡大し、売上高のうちストローやスーツといった生活関連事業は9・3%増の295億円だった。【久野洋】

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