知人女性に睡眠薬入りの飲み物を飲ませてわいせつな行為をしたとして、準強制性交等未遂と準強制わいせつの罪に問われた経済産業省のキャリア官僚、佐藤大被告（33）は15日、東京地裁（中尾佳久裁判長）で開かれた初公判で、起訴内容を認めた。経産省は同日付で佐藤被告を懲戒免職とした。
検察側は冒頭陳述や証拠説明で、佐藤被告が2022年11月、東京都内で当時26歳だった女性と2人で飲食した際に、女性の飲み物に睡眠薬を入れたと指摘。抵抗が困難な状態にしてホテルで性的暴行を加えようとしたと述べた。
女性は約1カ月後、佐藤被告の誘いを断り切れず、再び飲食。佐藤被告は「映画を見よう」と女性をインターネットカフェの個室内に誘導し、女性の飲み物に睡眠薬を入れてわいせつな行為をしたという。
検察側は、佐藤被告が不眠症の治療で日常的に睡眠薬の処方を受けていたと指摘した。また「2、3杯飲むと苦みを感じ、強烈な眠気が襲ってきた。意識がもうろうとする中でわいせつな行為をされたが、被告の手を振り払って拒否した」とする被害女性の供述調書を読み上げた。
佐藤被告は別の女性に対する準強制性交等罪でも追起訴されており、今後審理される。【巽賢司】
