北朝鮮外務省研究所、日本とNATOの連携非難「列島の孤立招く」

　北朝鮮外務省の日本研究所研究員は14日、日本と北大西洋条約機構（NATO）の連携強化について「地域の平和と安定を破壊し、（日本）列島の不安定と不可逆的な孤立を招くことになるだけだ」と非難する論評を出した。15日、国営の朝鮮中央通信が報じた。

　論評は、NATOが東京に連絡事務所の開設を検討していることや、日本とNATOが具体的な協力項目を定めた「国別パートナーシップ協力計画」の改定作業を進めていることなどを紹介し、「国際社会に大きな懸念と警戒心をもたらしている。日本との軍事的結託を通じてアジア太平洋地域に進出しようとするNATOの企図が、危険な実行段階に入った」と分析した。

　その上で、日本とNATOの連携強化の背景には「アジア太平洋地域で覇権的地位を保とうとする米国の黒い影が徘徊（はいかい）している」と指摘し、米国がロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、NATOを「全地球的な軍事同盟」に変身させようと企てていると批判。日米豪印の「クアッド」などの協力枠組みに日本や韓国などを引き込み、NATOと結び付けて「一つの巨大な反中国、反ロシア包囲網を構築しようとするのが、米国が追求する悪巧みだ」と非難した。【日下部元美】