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女子野球部員が下敷き 初使用の用具「不備なし」 事故を防ぐには


 札幌新陽高校(札幌市南区)の女子硬式野球部で6日の練習準備中に起きた事故。12日に記者会見した同校関係者によると、移動式バッティングケージの下敷きになった女子生徒は意識不明となったままだという。部活動や授業中に運動用具の下敷きになる事故は全国でも起きており、関係者は注意を呼び掛けている。【後藤佳怜、金将来、山田豊】

 12日朝、事故があった札幌大学(同市豊平区)の野球場で、同大野球部の男性部員は「(運搬中に倒れた)バッティングケージは、車輪がある4カ所の支柱に人を配置して、押す側と引く側が息を合わせて一緒に移動しないとバランスを崩します」と解説した。

 普段から使い慣れている同大野球部の男性部員でも、重い鉄製の支柱とネットでできているバッティングケージを運ぶ際は注意を払うという。同大によると、ケージの車輪や支柱に不具合はなく、ネットは1~2年に一度、張り替えているといい、担当者は「事故があった用具に不備はなく、新陽高にも注意点を説明した」と語る。

 一方、札幌新陽高の女子野球部は同大のグラウンドで練習するのは初めてで、このバッティングケージを使ったこともなかった。女子生徒らは類似の用具を使用した経験があり、事故があった日も顧問らが「複数人で運ぶように」などと注意喚起していたというが、事故は起こった。道警などが詳しい原因を調べている。

 今回の事故と類似の事例はこれまでにも全国で確認されている。

 2022年9月には、長崎県波佐見高のグラウンドで、台風の接近に備えてバッティングケージの撤去作業をしていた野球部員の男子生徒(当時16歳)がケージの下敷きとなり、首の骨を折るなどの重傷を負った。

 日本スポーツ振興センター(JSC)によると、05年度~21年度に中学・高校の部活動や授業中に起きた事故で給付金を支給した事例のうち、用具などの下敷きになったことが原因で死亡や障害が残るような重大な事故は、少なくとも計5件あったという。

 では、重大事故を防ぐために、どのようなことに気を付ければいいだろうか。

 日本スポーツ協会は、運動施設や用具を利用する際の注意点として、活動人数の考慮、用具の安全な準備や配置、良好な環境の確保――などを挙げている。指導者の目や手などが行き届く人数で活動することや、指導者が用具の管理や監督をする責任があることなどに触れている。

 一方で、男女が同じ用具を使用することに疑問を投げかける関係者もいる。

 日本野球連盟道地区連盟の柳俊之会長は「これまで野球は男性のスポーツとして発展してきたが、近年は女性の野球人口も増えている」とした上で、大学生や高校生といった身体の発達の度合いや、一般的に男女で腕力などに差があることを踏まえ、「改めて、用具や備品の在り方について考え直さなければいけないと思う」と指摘。今回、事故に遭った女子生徒には「回復を祈るばかりです」と語った。

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