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銀座強盗なぜ? ロレックス入手困難、異常な価格高騰要因か


 東京・銀座の高級時計店「クォーク銀座888店」は、なぜ強盗グループに狙われたのか。同店は新品、中古のロレックスを扱う専門店。市場では人気のロレックスが品薄のため入手困難となっており、中古品の価格が定価を上回る異常な価格高騰が起きている。【寺田剛】

「定価180万円」が「中古400万円以上」

 「仮に直営店で新品のロレックスを運良く定価で買えたら、即転売すれば倍の値段で売れるほどの人気ぶりです。店にも新品在庫がなく、店側が客を選んで売ることができるほどです」

 ブランド品買い取り専門店「おたからや」を運営する「いーふらん」(横浜市)の舩久保(ふなくぼ)龍一リテール営業本部部長は、こう解説する。同社は全国で「おたからや」約1200店を展開。毎月約1万点の高級腕時計を個人などから買い取り、業者などにオークションで販売している。

 舩久保さんによると、20~30年前は定価の価格帯も60万~70万円程度と今より若干安く、少なくとも新品なら定価で購入できた。店がセールをすると、定価を下回る値段で売られることも多かったという。

 ところが、約5年前から価格が高騰。市場では人気モデル「デイトナ」は定価約180万円の商品が、中古にもかかわらず400万円以上で販売されている。同じく定価約140万~150万円の「サブマリーナ」は約250万~300万円で取引されている。

価格高騰の要因は

 圧倒的なブランド力のあるロレックスを、金や株などと同じような金融資産とみなして取得しようとする人が世界的に増えたことが、価格高騰の一因。元来の時計好きに交じり、最近では転売益を狙って購入する人もでてきた。

 また、新型コロナウイルス禍のさなかにロレックスが工場を閉鎖したり休止したりしたことで、新品在庫の流通量が減少したことも、価格高騰に拍車をかけた。こうした事情を背景に、強盗グループは転売を狙ったのだろうか。

「盗品リスト」で転売阻止

 捜査関係者によると、被害品は約70点(総額約2億5000万円相当)。単純計算で1点あたり約357万円と高額だが、被害品はほぼ回収されたとみられる。

 ただ、仮に転売しようとしても、国内の取扱業者の一部では既に今回の事件の「盗品リスト」が出回っており、警戒が呼び掛けられているという。

 舩久保さんによれば、業界関係者を通じて入手したリストには、被害品のモデル▽型番▽シリアル番号▽パーツの特徴――など10種類の情報が細かく記されている。

 このリストは正式なものではないが、買い取り店が買い取りを拒否するための参考資料にする。今回に限らず、事件後しばらくすると、警察から正式なリストが店側にもたらされるという。

 「おたからや」では元々、買い取りスタッフが入手経路を入念に聞き取り、各店の買い取りスタッフに加え、運営会社の監査部門、ロレックス専門部署、買い取り責任者の少なくとも計4者が鑑定をしており、「盗品が流通することはない」(舩久保さん)という。

 舩久保さんは、盗品や偽物をつかまされないようにするコツとして「シリアル番号がついた保証書の付いたロレックスを、歴史や信用のある店で購入してほしい」と話した。

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