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NY陪審、トランプ前大統領の「性的虐待」認定 6・8億円賠償命令


 米国の元コラムニスト、ジーン・キャロルさん(79)が約30年前にトランプ前大統領(76)から性被害を受けたとして賠償金などを求めた民事訴訟で、ニューヨーク連邦地裁の陪審は9日、トランプ氏による性的虐待と名誉毀損(きそん)を認め、500万ドル(約6億7500万円)を支払うよう命じる評決を下した。ニューヨーク州では、本人の同意なしに性的接触があった場合は性的虐待と定義されている。一方、レイプされたとする主張は退けた。米主要メディアが一斉に報じた。

 訴えによると、キャロルさんは1990年代にニューヨークの高級デパートで買い物中、別の女性への贈り物を買いに来たトランプ氏からランジェリー売り場の試着室で性被害を受けたとしていた。

 ニューヨーク州では、時効を過ぎた性暴力について提訴を可能にする「成人サバイバー法」が22年に施行された。これを受けてキャロルさんは同年に提訴した。19年に米誌でトランプ氏による性被害を公表した際、トランプ氏から「詐欺」などと非難されたとして、名誉毀損でも訴えていた。

 トランプ氏は「彼女は(好みの)タイプではない」「会ったこともない」などと否定していた。裁判は先月25日から始まったが、トランプ氏は一度も出廷しなかった。

 トランプ氏は評決後、自身のソーシャルメディアに「私はこの女性が誰かまったく分からない。この評決は恥ずべきものだ。史上最大の魔女狩りが続いている」と投稿した。

 トランプ氏は、別件で刑事責任も問われている。16年の大統領選期間中に元不倫相手の女性に払ったとされる「口止め料」をめぐり帳簿などを改ざんしたなどとして、ニューヨーク州の大陪審は今年3月、米国の大統領経験者として初めてトランプ氏を起訴した。【ニューヨーク八田浩輔】

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