東京都中央区銀座8の高級腕時計店で起きた強盗事件に関連し、事件直後に港区内のマンションに侵入したとして警視庁少年事件課は9日、いずれも横浜市内在住で16～19歳の高校生やアルバイトの男性4人を住居侵入や邸宅侵入容疑で現行犯逮捕したと発表した。マンションの植え込みから腕時計約30点が入った黒い袋も見つかっており、警視庁は4人が強盗事件にも関与した疑いがあるとみて調べている。
逮捕容疑は、4人は8日午後6時40分ごろ～7時25分ごろ、港区赤坂8のマンション敷地内やベランダに侵入したとしている。3人は容疑を認め、1人は否認しているという。
少年事件課によると、強盗事件の直後、警視庁の警察官が時計店の前から走り去った車を千代田区内で発見し、追跡。その後、車が港区の路上に放置されているのを見つけ、近くのマンション内で4人の身柄を確保して現行犯逮捕した。
身柄を確保された際、4人は何も所持しておらず、服装も強盗事件の容疑者らが身に着けていたものと異なっていたという。一方、車の近くには強盗事件で容疑者らが着用していたものとよく似た仮面が複数落ちていたことから、逃走中に着替えた可能性もある。植え込みから見つかった腕時計について、警視庁は強盗事件の被害品とみて確認を進めている。
「淡々と盗む。何かの撮影かと」
銀座の強盗事件は8日午後6時半ごろ発生。高級時計店「クォーク銀座888店」に3人組が押し入り、ショーケースをたたき割って高級腕時計100点以上を奪い、車で逃走した。目撃者の証言などから、強盗事件には車で待機していた人物を含め5人が関与している可能性もあるという。
事件を目撃した都内の男性会社員（35）によると、警報音とともに「ガシャン」というショーケースが割れる音が響いたが、店内から怒鳴り声などは聞こえなかったという。「淡々と盗んでいく感じで、白昼堂々と慌てる様子もないので本当の強盗なのか分からなかった。何かの撮影かと思った。（容疑者らが）出てきた時はぞくっとした」と振り返った。【加藤昌平、宇多川はるか】
