岸田文雄首相は7日午前、韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領とのソウルでの首脳会談のため、政府専用機で羽田空港を出発した。出発に先立つ同日午前、首相公邸で記者団に「尹大統領とは信頼関係に基づいて率直な意見交換を行いたい。3月以降、財務、防衛をはじめさまざまなレベルで対話がスタートしている。こうした流れを一層発展させる」と語った。
今月19～21日に尹氏らを招待して広島で開く主要7カ国首脳会議（G7サミット）に向け「国際情勢、地域情勢等についても意見交換をすることができるかと考えている」とも語った。「さまざまな課題が日韓の間にはある」とし、元徴用工問題に関しても「率直な意見交換を行う」とした。
石川県珠洲市で震度6強を記録した5日の地震を巡っては「天候等もいろいろ心配されている」とし、「地元とも緊密に連携を取りながら状況を注視していく」と語った。
今回の訪問は3月に日本で行われた日韓首脳会談で、首脳が相互訪問する「シャトル外交」の再開で合意したのを受けたもので、日本の首相が韓国を訪れるのは安倍晋三元首相が平昌（ピョンチャン）冬季オリンピックに合わせて訪問した2018年以来5年ぶり。首脳会談は7日午後に予定され、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応や、半導体のサプライチェーン（供給網）を含む経済安全保障などについて話し合う見通し。会談後、共同記者会見や夕食会に臨む。
会談前には岸田首相は国立墓地「顕忠院」での献花に臨み、8日には韓国経済団体関係者との懇談も予定している。8日に帰国する。【花澤葵】
