車道に倒れていた高齢女性を介抱して人命救助に貢献したとして、埼玉県警川越署は2日、川越市鴨田の市立芳野小学校で、6年の藤井碧大さん（12）と4年の北方雅人さん（9）に感謝状を贈った。
同署などによると、3月29日午後5時ごろ、遊んでいた2人は同市鴨田の市道で市内の80代女性が倒れているのを発見した。女性は片側1車線の道路のセンターライン近くに倒れており、いつ車にはねられてもおかしくない状況だった。
北方さんは「危ない、早く知らせなきゃと思いました」と振り返る。北方さんの母親に知らせるため急いで自宅へ向かい、その間、藤井さんが女性を介抱した。「起き上がるのを助けようとしました。もし車が来たら車を誘導しようと思いました」と藤井さん。北方さんの母親も手伝って女性を安全な場所に動かし、110番して警察官の到着まで見守った。
女性は道に迷って歩き疲れ倒れこんでいたという。左股関節を骨折していたが、命に別条はなく、無事に帰宅することができた。
2日、芳野小で表彰式が行われた。木村宏志署長は「2人のヒーローに感謝状を贈りました。みなさんも困っている人に温かい手を差し伸べてあげてください」と述べた。北方さんは「ものすごくうれしいです」と笑顔で話し、藤井さんは「とってもうれしいです。おばあちゃんが無事で良かったです」と女性の無事を喜んだ。
生駒義郎校長は「人に優しく接する大切さは日々児童に伝えているが、行動と実践は大人でも難しい。2人を誇りに思います」と語った。女性の家族が学校を訪れ、表彰式後に2人に感謝を伝えたという。【田原拓郎】
