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「きっとあそこだ」水上バイクで一直線 ダイバー5人救出に感謝状


 福岡県福津市の恋の浦海岸沖で4月初旬、しけの影響で船が漂流し、ダイバー5人が荒海の中で孤立した。手をつないで海上に浮かび、救助を待つ5人。「風の向き、潮の流れから、きっとあそこにいるはずだ」。水上バイクで現場に急行し無事救出につなげたのは、なじみの海を熟知するマリンショップ代表と元従業員だった。

 「助けてください」。福岡海上保安部などによると、ダイビングボートの乗客から118番があったのは4月2日午後0時45分ごろだった。ボートは乗員乗客8人を乗せ、午前中から同海岸の西約400メートル沖合でダイビングを楽しんでいた。だが、次第に強風で海が荒れ始め、いかりが外れてボートが漂流。船内にいた乗客が慌てて通報したが、現場の海に乗客5人が取り残された。

 同海岸で約20年営業を続けるマリンショップ「パンタイバグース」代表、渡辺公義さん(58)=福岡市博多区=は午後1時20分ごろ、福岡海保の知り合いから一報を受けた。すぐに元従業員の竹田玲穏さん(24)=同市東区=と共に水上バイクにまたがり、捜索を開始。約15分後、もともとボートが停泊していたダイビングスポットから約1・8キロ離れた地点で、ダイバー5人が輪になるように手をつないで海面に浮かんでいるのを見つけた。

 「不安や焦りを覚えると体は緊張し、体力を消耗する」。そう考えた渡辺さんは「大丈夫やけんね。岸、戻ろうか」とのんびりとした声で呼び掛けた。5人にほっとした表情が広がると、竹田さんは海に入り、装着する空気タンクの解除を手伝った。1人ずつバイクに乗せて岸まで届けようしたところで、海保から要請を受けた水難救済会の船が到着した。5人にけがはなかった。

 福岡海保の中嶋雅昭部長は「海では時間と共に生存確率が下がる。迅速に対応していただけて良かった」と感謝。4月28日に感謝状を贈られた渡辺さんは「ダイバーがどこに流されたか当たりを付け、一直線に向かったら想像通りのところにいた」と振り返った。竹田さんも「早く現場に着くことで向こうも安心できる。無事で良かった」と話した。【河慧琳】

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