群馬県高崎市で開かれた主要7カ国（G7）デジタル・技術相会合が30日閉幕し、共同声明をまとめた。高度な文章や画像を作成する一方、個人情報の漏えいなどの問題も懸念される生成AI（人工知能）の急速な普及を踏まえ、声明ではAI運用の国際標準づくりを提唱した。「責任あるAI」推進に向け、生成AIのリスク分析などの行動計画も策定した。共同声明は5月のG7首脳会議（広島サミット）の議論に反映させる。
共同声明では、各国の方針に違いがあっても技術的な国際標準を作ることでAIの信頼性、運用性を高められるとした。生成AIのもたらす機会とリスクを認識した上で、G7での継続的な議論や、国際機関での影響の分析をするとした。「責任あるAI」推進に向けての行動計画でもG7メンバーの専門家、開発者が集まり、議論するという内容を盛り込んだ。
ほかに、信頼性のある自由なデータ流通（DFFT）促進の枠組み作りにも合意した。
議長国の日本からは河野太郎デジタル相、松本剛明総務相、西村康稔経済産業相が出席。G7各国の閣僚と欧州委員会のベステアー上級副委員長、ウクライナや主要20カ国・地域（G20）議長国を務めるインド、東南アジア諸国連合（ASEAN）議長国のインドネシアも参加した。【加藤美穂子】
