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紛争下のリアルにトップコンビ挑む 宝塚花組「二人だけの戦場」開幕


 宝塚歌劇花組公演のミュージカル「二人だけの戦場」(正塚晴彦作・演出)が29日、大阪市北区の梅田芸術劇場メインホールで開幕した。民族の壁を越えた愛や友情を通じて、紛争下でも揺るがぬ絆を描く。1994年に初演された作品に、柚香光(ゆずかれい)・星風まどかのトップコンビが挑んでいる。5月6日まで。

 数々の自治州で成り立つ、架空の連邦国家が舞台。士官学校で優秀な成績を修めた名門出身のシンクレア(柚香)と、親友で同級生のクリフォード(永久輝=とわき=せあ)は、独立の機運が高まる旧ルコスタ自治州への赴任が決まっていた。ある夜、シンクレアは連邦兵士に絡まれていた少数民族の娘・ライラ(星風)を助け、落とした首飾りを届ける。旧ルコスタ自治州で再会した2人は、やがて愛し合うようになるが、独立を巡って対立する立場に立たされていく。

 柚香演じるシンクレアは、理想に燃え、分け隔てなく人に接する真っすぐさが魅力的。それゆえに、国家と個人の間で苦悩する姿が痛々しく、紛争下の人間のリアルな生きざまを感じさせた。星風は愛を知った喜びを生き生きと表現。愛と民族の間で揺れる心や、誇り高さも細やかに表した。

 永久輝は、シンクレアに向けるまなざしが温かい。一方で、友のために法廷に立つ場面では、一歩も引かない気迫をみなぎらせた。希波(きなみ)らいとが、ライラの兄を骨太に演じた。星組から組替えしてきた綺城(あやき)ひか理は、シンクレアを目の敵にする連邦兵士を好演した。

 シンクレアが上官殺害に至る過程が、法廷シーンを織り交ぜながらひもとかれていく構成。初演は雪組の一路真輝・花總(はなふさ)まりにより、宝塚バウホール(兵庫県宝塚市)で上演された。民族対立に翻弄(ほんろう)される市民やテロリズムなど、今日的なテーマが胸に迫る。

 5月5日午後4時半の公演は、映画館でのライブビューイングと、インターネットテレビのライブ配信がある。東京公演は13~19日、東京建物Brillia HALL。【水津聡子】

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