27日から28日にかけて静岡市葵区の浮月楼で指された第81期名人戦七番勝負（毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛）の第2局を制し、第1局に続く連勝とした藤井聡太王将（20）は勝利から一夜明けた29日朝、取材に応じた。2日目午前のおやつに出された猫型クッキーについて、「見た目も可愛らしく、食べる前に1、2分楽しんでからちゅうちょなく頂きました」とちゃめっけたっぷりに明かした。
猫好きで知られる藤井王将は、2日目午前のおやつに、葵区内のベーカリーが販売している猫をかたどった一口サイズの「ぼくたち8人兄弟クッキー」を注文した。飲み物以外は控室に出されたため、対局室の盤からいったん離れて憩いの一時を過ごしたようだ。
第2局で印象に残った手に、解説の澤田真吾七段も「決め手だった」とした2六歩（73手目）を挙げ、「他の手もあり、攻めを催促してかなり際どいと思ったが、結果的にそれで後手（渡辺明名人）の攻めを受け止めることができた」と振り返った。
連勝して「名人に近付いたのでは」と尋ねられると、「まだそれ（名人）を意識することはない。これまでの内容をしっかり振り返りつつ、第3局は気持ちとしてはこれまでと変わらずに臨めればいい」と気を緩めず、5月13、14の両日に大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場へ臨む。【丸山進、新土居仁昌】
