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米カンザス州、性自認に基づくトイレなどの使用禁止 7月から施行


 米中西部カンザス州で27日、出生時の性別と異なる性を自認するトランスジェンダーが、性自認に基づいてトイレやロッカーを使用するのを禁止する州法が成立した。刑務所などの収容施設、家庭内暴力被害者のシェルター、性暴力被害者の支援施設でも、出生時の性別に基づいて扱われる。罰則はなく、7月から施行される。州法制定を主導した共和党に対して、民主党のケリー知事は「過激派の法律を強行に可決した(州議会)議員たちに失望した」と批判した。

 米国ではトランスジェンダーのトイレやロッカーの使用方法を巡って論争がある。AP通信によると、少なくとも他に8州が学校などでの性自認に基づくトイレ使用を規制しているが、カンザス州の州法は「最も広範な規制」(AP)と報じられている。一方、リベラル派が政治的に優勢な州では、性的少数者が利用しやすいように「性別不問」のトイレを設置する動きが徐々に広がっている。

 新たに成立したカンザス州の州法は「性別による区別は、個人の健康や安全、プライバシーを守るという政府の重要な目的と密接に関係している」と説明。女性を「卵(子)を生み出す生殖器官を持つ個人」、男性は「女性の卵(子)を受精させる生殖器官を持つ個人」と定義し、性別で区別する施設では出生時の性別に基づいて扱われるとした。

 州議会上下両院で共和党議員らの賛成多数で法案が可決された後、民主党のケリー知事がいったんは拒否権を行使したが、州議会で再可決に必要な3分の2以上の議席を占める共和党の主導で成立した。【ワシントン秋山信一】

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