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米ファースト・リパブリック銀行に「第3の破綻」の可能性 株価暴落


 全米14位のファースト・リパブリック銀行(本店・カリフォルニア州)の破綻懸念が強まっている。28日の米ニューヨーク株式市場で同行の株価は一時、前日終値に比べ5割安の2ドル台に暴落、終値は同43・3%安の3・51ドルだった。3月上旬に米国で金融不安が始まる前、同行の株価は100ドルを超えており、当時に比べ95%以上価値が下がった計算になる。

 ロイター通信によると、米財務省や連邦準備制度理事会(FRB)など金融当局は28日、同行を支援するための緊急協議を始めたが、銀行救済には世論の反発が予想され、米中堅行の「第3の破綻」となる可能性がある。

 ファースト銀の経営不安が再燃したのは、24日に発表した1~3月期決算で巨額の預金流出が明らかになったためだ。3月末時点の預金残高は1044億ドル(約14・1兆円)で昨年末から4割減少。バンク・オブ・アメリカなど米大手11行が3月中旬に経営支援のため計300億ドルの無保険の預金をしたにもかかわらず大きく減っていた事態に市場が動揺し、株価は10ドルを割り込む水準に暴落した。

 米国では3月上旬に全米16位のシリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻した。急ピッチの利上げで保有国債の価値が下落する一方、預金保険制度で保護される上限(25万ドル)超えの預金が9割を占め、ツイッターなどのソーシャルメディアで信用不安の情報が流れた途端、一気に預金が逃げ出し、破綻に追い込まれた。全米29位のシグネチャー銀行も連鎖破綻し、信用不安は全米に拡大した。

 ファースト銀も預金保険制度の上限を超える預金が全体の7割近くを占め、預金が逃げ出しやすい構造。顧客の預金引き出しに応じるため値下がりした保有国債を売却すれば、SVBと同様に大きな損失が発生する恐れがある。市場では「第3の破綻先」との懸念が浮上し、SVBの破綻直後から株価が急落していた。

 米財務省やFRBは破綻行の預金全額保護や銀行への資金供給などの緊急措置をとり「米国の金融システムは健全で強じん」との認識を示してきた。しかし、第3の破綻が発生すれば全米で信用不安が再燃するのは避けられない。【ワシントン大久保渉】

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