国賓として訪米中の韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は27日、連邦議会の上下両院合同会議で演説した。約44分間の英語での演説では、米韓の現代史、韓国のポップカルチャーの世界的流行、韓国企業による対米投資といった硬軟両面のエピソードをちりばめ、「ホワイトハウス訪問は（2022年6月に韓国の音楽グループの）BTSに先を越されたが、キャピトルヒル（連邦議会）訪問は先んじた」と議場を沸かせる場面もあった。
尹氏は冒頭、「過去1世紀、私たちは多くの脅威に直面してきたが、米国はいつも自由を守るために世界を導いてきた」と強調。韓国の日本からの独立につながった太平洋戦争や、北朝鮮の侵攻に対して共闘した朝鮮戦争での米軍の犠牲に敬意と感謝を表し、「韓国は自由を守るために共に戦った米国の英雄たちを決して忘れない」と強調した。
演説の中盤では「文化が米韓の理解と親善をさらに深める助けになっている。国籍や言語の違いはもはや障壁ではない」と強調した。「韓国映画の『パラサイト』がアカデミー賞を受賞した。私は『トップガン マーヴェリック』や『ミッション・インポッシブル』のファンだ」「私の名前は知らなくても、（音楽グループの）BTSやBLACKPINKはご存じでしょう」とアピールした。
尹氏は27日も、ハリス副大統領やブリンケン国務長官らとの国務省での昼食会に臨むなど歓待を受けた。26日夜の夕食会では、バイデン大統領から「歌ってほしいな」と促され、若い頃によく聴いていたという1970年代のヒット曲「アメリカン・パイ」を歌って招待客を沸かせ、喜ぶバイデン氏から肩を抱かれる一幕もあった。尹氏は歌った後、同曲を歌ったドン・マクリーンさんのサイン入りのギターを贈られた。【ワシントン秋山信一】
