23日投開票の長崎市長選で初当選した元九州運輸局長の鈴木史朗市長（55）が26日、市役所に初登庁した。鈴木市長は就任後初の記者会見で、岸田文雄政権が参加に後ろ向きな核兵器禁止条約について「被爆国として、ぜひ早急に行うべきだ」と述べ、政府に早期署名を迫っていく考えを示した。
部長級職員や市議ら約150人が出席した就任式で、鈴木市長は「職員の皆さんがやりがいを感じる職場を作るには前例踏襲ではなく、新しい価値を常に作るという思いで職務に取り組まなくてはならない。幹部職員の皆さんと一致団結して取り組みたい」とあいさつした。
その後の記者会見で鈴木市長は、市が直面する人口減少について「国全体の中でも長崎では極めて速く進行している」と危機感を改めて強調。「いきなりプラスに転じるのは現実的には厳しく、まずは減少のスピードを鈍化させることを目指し、早急に結果を出したい」と語った。
鈴木市長は1951年から4期市長を務めた故・田川務氏の孫。無所属で出馬した市長選では、自民、公明両党の県組織の推薦、国民民主党県連の支持、田上富久・前市長の支援などを受けて組織選挙を展開し、他の新人3人を破った。【高橋広之】
