水路の水で砂流出、空洞発生か 宮崎・日南海岸で4歳埋もれ死亡

　宮崎県日南市の海岸で2022年4月、埋設されていた消波ブロック付近の砂に男児（当時4歳）が埋もれ死亡した事故は、そばを流れる水路の水でブロックの下や背後の砂が流し出され、空洞ができたことが原因とみられることが、県への取材で判明した。海岸を管理する県が調査していた。

　事故は4月29日、日南市の伊比井（いびい）海岸で起きた。秋田県から家族と観光で訪れていた男児の姿が見えなくなり県警などが捜索。男児は地表2～3メートル下にある大きな石やブロックの間の地面で見つかり死亡が確認された。死因は窒息死。現場は立ち入り禁止場所ではなかった。

　県は海岸工学の専門家に調査を依頼。直前まで降っていた雨の影響で水路の流れが勢いを増したことでブロック下の砂が流出し、空洞ができたという見解を得たという。県は「遺族に当時の状況を聞き、最終的な事故の調査報告書をまとめたい」としている。【塩月由香】