公明、自民の9条改憲案に反対表明 衆院憲法審査会で

　公明党の北側一雄副代表は20日の衆院憲法審査会で、9条に自衛隊を明記する自民党の憲法改正条文案（たたき台）について、「賛成できない」と述べた。公明が自民の条文案に明確に反対したのは初めて。今後の憲法審での議論に影響を与えそうだ。

　自民や日本維新の会は、9条1項（戦争放棄）、2項（戦力不保持）を残しつつ、9条の2を新設して自衛隊を明記する憲法改正条文案をそれぞれまとめている。自民の条文案では、9条の2で、前条（9条）は「必要な自衛の措置をとることを妨げず」と規定している。

　北側氏はこれに対し「『妨げず』との文言を例外規定として使用する法律は数多くある。『妨げず』との表現は、（戦力不保持の）9条2項の例外規定と読まれる余地を残すことになり、賛成できない」と主張した。

　公明は自民の条文案では、自衛権行使の範囲をめぐる政府解釈が変更され、自衛隊の活動が際限なく拡大しかねないと警戒している。北側氏はこの日も改めて、首相や内閣の職務を規定した72条や73条に自衛隊を明記するよう提案した。【加藤明子、畠山嵩】