ウクライナの青年スポーツ省は14日、オリンピックを含む国際大会でロシアとベラルーシ両国の選手が参加する場合、ウクライナ代表が出場することを禁じる布告を出した。ロイター通信が報じた。国際大会で両国の選手が復帰する動きが強まる中、ウクライナは反発を強めていた。
ロシアとベラルーシを巡っては、国際オリンピック委員会（IOC）が昨年2月、ロシアによるウクライナ侵攻を受けた措置として国際大会からの除外を決めた。しかし、その後は方針を転換し、今年3月には個人資格の「中立」選手に限り復帰させるよう各競技団体の国際団体に勧告した。2024年のパリ五輪については7月以降に改めて参加の可否を判断するが、仮に参加が認められた場合、ウクライナがボイコットする可能性もある。
一方、ウクライナが定めた法令を巡っては、国内のスポーツ選手からも批判が上がっている。ロイター通信によると、北京冬季五輪に出場したスケルトンの男子選手はツイッターで「ウクライナが欠場すればロシアとベラルーシにプロパガンダの機会を与えてしまう」と書き込んだ。
ウクライナ侵攻ではスポーツ選手や練習施設などにも多くの被害が出ている。ウクライナのクレバ外相によると、2月時点で選手やコーチの死者数は231人に上っている。【カイロ金子淳】
