金正恩氏「戦争抑止力を拡大、効率的に運用を」 党中央軍事委で

　北朝鮮国営の朝鮮中央通信は11日、朝鮮労働党中央軍事委員会の拡大会議が10日開催され、金正恩（キムジョンウン）総書記が指導したと報じた。金総書記は「日増しに重大になる朝鮮半島の安全をさらに厳しく統制・管理」するため、「加速的に強化されている戦争抑止力をより実用的かつ攻勢的に拡大し、効率的に運用する必要性」を強調。米国や韓国への対抗姿勢を鮮明にした。

　米韓両軍は3月に規模を拡大して合同軍事演習を実施。4月に入ってからも朝鮮半島周辺で連合空中訓練などを継続し、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への圧力を強めている。

　会議ではこうした実情を踏まえ、「国防力と戦争準備を完備するための重要な軍事的問題」について議論。軍事的な選択肢をより明確にして徹底的に準備していくことや、米韓がいかなる手段と方式によっても対応できない「多様な軍事的行動」を整えることを全員一致で可決した。具体的な軍事行動の中身については明らかにされていない。

　韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮は7日以降、韓国との定時連絡に応じていない。韓国政府は、北朝鮮が一方的に遮断したとみている。【ソウル坂口裕彦】