名古屋市南区の名古屋鉄道本笠寺駅のホーム待合室で、同市中川区の会社員、川村月音（つきね）さん（18）が刺殺された事件で、現場に残されていたスマートフォンから110番があったことが10日、捜査関係者への取材で判明した。愛知県警は刺される前後に、川村さんが自ら通報しようとした可能性もあるとみて調べている。
捜査関係者によると、110番があったのは、川村さんが殺害された8日夜。その後の調べで、現場から押収されたスマートフォンの番号から発信されていたことが確認された。
ただ、通報者は、110番を受けた県警の担当者の呼びかけに応じず、無言だったという。
川村さんは、待合室のベンチで左胸にナイフのような刃物が刺さった状態で倒れているのが見つかった。胸には3カ所以上の刺し傷があり、複数の傷が心臓に達していた。
県警は、同じ頃、同駅を通過中の急行列車にはねられ死亡した名古屋市中川区、職業不詳、南拓哉容疑者（29）が川村さんの殺害に関与したとみて、裏付け捜査を進めている。
川村さんが刺される直前、この2人とみられる男女が待合室で一緒にいるのが目撃されており、ホームにほかの乗客はいなかった。【森田采花、熊谷佐和子】
